2020.6.26
vol.5 交通事故にあったときの初動で気をつけること③
1 概要
さらに前回に引き続き,交通事故にあったときの初動で気をつけておくことについて書いていきます。
2 目撃者の連絡先を聞いておくこと
なぜ目撃者の連絡先を聞いておくことが必要か
端的にいうと,①目撃者の証言の証拠価値が高いこと,②後から目撃者を見つけることが難しいこと,から現場で聞いておくことが重要になります。
順番に説明いたします。
①目撃者の証言の証拠価値が高いこと
交通事故の相手方と,事故の状況についての言い分が異なった場合,以前の記事でご紹介した客観的な証拠とともに重要となるのが,目撃者の証言になります。
なぜかというと,交通事故の当事者はそれぞれ自分に有利な事故態様を述べようとする動機がある一方で,通常の目撃者は双方に利害関係のない第三者であることから,真実を述べる可能性が高いからということになります。
②後から目撃者を見つけることが難しいこと
事故の状況をはっきり見てくれていた人がいても,その場で連絡先を聞かない限り,後から見つけることはほとんど不可能です。
特に警察が物件事故として扱う場合には,詳しい調査はしないため,警察も目撃者の話を聞くということはありません。
人身事故の場合には,警察は実況見分調書というものを作成するため,目撃者の話を聞いて記録にとっていることがあります。
しかし,後で実況見分調書を入手したとしても目撃者の名前などは黒塗りになっていてわからなくなっている場合がほとんどです。
この場合,目撃者の情報をたどることができる場合もあるものの,かなりの手間がかかります。
以上の理由から,間違いなく目撃者がいる,という場合にはその方の連絡先を聞いておくようにしましょう。
目撃者の連絡先を聞いておく必要性が高い場合
特に相手との言い分が違っていることが明らかになっている場合(代表的なところでは信号の色が違うなど)には,目撃者の証言の重要性は極めて高いため,目撃者の連絡先を聞いておくことが重要になります。